目次
今年を表す漢字に「密」が選ばれた、2020年。この1年でもっとも印象的だったのは、やはり今なお猛威が衰えない「新型コロナウイルス感染症の拡大」ではないでしょうか? 現に、今年の漢字の選定理由には、新型コロナウイルス感染症により接近・接触を避けた(=密にならない)行動や生活が当たり前になったこと、また家族や恋人、友人との関係がより密接になったことが関係しています。
そんな2020年において、各種ソーシャルメディア(SNS)はさまざまな動きを見せました! たとえば「買収」がそのひとつ。Facebook社はGIF動画共有サービス「GIPHY」を、そしてTwitterは画面共有ソーシャルアプリ「Squad」を買収しました。では、ほかにはどのような動きがあったのでしょうか?
今回は、2020年の出来事とともに、Instagram・Twitter・TikTok・Facebookの主な仕様変更・新機能を振り返っていきます。この記事を通して、今年のSNSの動向をおさらいしましょう!
【2020年1月〜3月】新型コロナウイルス感染症が発生
2020年1月〜3月の主な出来事はご覧のとおりです。とくに目立つのは、新型コロナウイルス感染症に関するもの。この頃から徐々に世界各地へと感染が拡大します。
こうした背景を受け、各種SNSは次のような仕様変更・新機能を発表しました。
Instagram(以下 インスタ)は、インスタ内で新型コロナウイルス感染症の情報収集をしているユーザーに対し、世界保健機関(WHO)からの最新情報を紹介するメッセージを表示する仕様に変更。ユーザーが正しい情報を受け取れるようサポートする機能を追加したのです! このほか、ビデオチャットを通じて友人と一緒にインスタを閲覧できる機能も導入しました(参照サイト①)(参照サイト②)。
インスタ同様、Twitterも「新型コロナウイルス感染症の情報収集(検索)」に着目。ユーザーがTwitter内で新型コロナウイルス感染症について検索した際、検索結果の上位に公的機関の情報を表示する仕様に変更しました。これにより、ユーザーは正確な情報を確実に入手できるようになったのです。
TikTok
TikTokでは東京都が公式アカウントを開設し、新型コロナウイルス感染症に関する情報の発信を行いました。10代〜20代の若年層ユーザーが多いTikTokだからこそ、正しい情報を確実に届けるためにアカウントを開設したのかもしれません!
Facebook社は、新型コロナウイルス感染症の拡大によりアプリの利用者が増加したことを受け、自社プラットフォームの負荷に関する状況を示すデータを公開しました。これにより、facebookの安定性・信頼性の維持を証明しています。
【2020年4月〜6月】新型コロナウイルス感染症が拡大
2020年4月〜6月の主な出来事はご覧のとおりです。新型コロナウイルス感染症の拡大が勢いよく広がり、日本のみならず世界各地で緊急事態宣言が発令されました。
あわせて注目を集めたのが「白人警官の黒人男性暴行死事件」です。この悲惨な事件をきっかけに、世界中で黒人差別に対する抗議デモ・活動が行われました。
こうした背景を受け、各種SNSは次のような仕様変更・新機能を発表しました。
インスタは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている中小企業を支援する取り組みとして、料理を注文できる新機能を導入しました。これにより、ユーザーはお気に入りの飲食店の料理を気軽に注文できるようになり、中小企業は営業を続けること、そしてお客さまとのつながりをキープできるようになったのです!
このほか、ネット上でのいじめを撲滅する新機能も発表しています。黒人差別をはじめ、SNSの誹謗中傷に苦しみ自ら命を絶った事件など、人との向き合い方をあらためて見直す出来事が重なったことで、このようなアップデートが行われたのかもしれません。
Twitterに関しては、新型コロナウイルス感染症に対する仕様変更を1月〜3月にかけて行っているため、4月〜6月は主に機能面のアップデートが目立ちました。
たとえば、投稿画像に代替テキストを追加できる機能の導入がそのひとつ。これは視覚に障がいがあるユーザー向けの仕様変更であり、スクリーンリーダーを使用することで画像の内容を理解できるようになります。
TikTok
Twitter同様、TikTokも4月〜6月は機能面のアップデートが目立ち、そのひとつにダイレクトメッセージ(DM)機能に関する仕様変更があげられます。具体的には、ダイレクトメッセージを利用対象が16歳以上のユーザーのみとなりました。これにより、アプリ内の安全性を強力に確保でき、若年層ユーザーがより安心して使えるSNSへと進化しました!
Facebook社は、恋人や友人、同じ趣味を楽しんでいるユーザーと気軽にコミュニケーションを楽しめる機能「Messengerルーム」を導入。もともとはfacebookまたはMessengerからしか利用できませんでしたが、5月21日(米国時間)にインスタからも利用できるようになり、利便性がグッと高まりました。
【2020年7月〜9月】「Go To トラベル」で旅行需要が回復
2020年7月〜9月の主な出来事はご覧のとおりです。新型コロナウイルス感染症の拡大が一時緩和したことで、宿泊を伴う旅行・日帰り旅行における費用の最大5割を国が補助する「Go To トラベル」キャンペーンがスタートしました。
こうした背景を受け、各種SNSは次のような仕様変更・新機能を発表しました。
インスタは、インスタ内で短尺動画を作成・発見できる「リール(Reels)」の導入を発表。ARカメラエフェクトや音源を使って動画を撮影・編集することで、ユーザーを楽しませながら自分自身を表現することが可能になりました。
「Go To トラベル」キャンペーンにより旅行需要が回復の兆しを見せたことから、その思い出を残したり楽しさを共有したりするうえで、リールは大いに役立ったと考えられます!
Twitterに関しては、7月〜9月の主な出来事に関わる仕様変更・新機能の発表はほとんどなく、4月〜6月と同様に機能面のアップデートが目立ちました。
たとえば、自分のツイートに返信ができるアカウントの制限機能がそのひとつ。ツイートする前に「全員が返信可能」「フォローしている人だけが返信可能」「@アカウントで指定した人だけが返信可能」のいずれかを選ぶことで、リプライができるユーザーを制限できるのです! これにより、心ない返信を心配する必要がなくなりました。
TikTok
TikTokは、米大統領選挙の混乱を防ぐため、誤情報・偽情報への対策を発表しました。具体的には、選挙関連の誤報の検証に注力したり、米国国土安全保障省などの専門家と協力したりするというもの。多くの利用者がいるTikTokだからこそ、正確な情報でユーザーをサポートしたいと考えていたのかもしれません!
Facebookは、新型コロナウイルス感染症の影響により、オンライン上で商品を販売したり顧客にリーチしたりする必要に迫られている中小ビジネスをサポートする「Facebook Business Suite」の導入を発表。facebookとインスタへの同時投稿が可能になるので、より効率的にSNSを活用したマーケティングが行えるようになりました。
【2020年10月〜12月】新型コロナウイルス感染症の拡大が再燃
2020年10月〜12月の主な出来事はご覧のとおりです。7月〜9月に緩和しつつあった新型コロナウイルス感染症の拡大ですが、このタイミングで再燃。それに伴い、「Go To トラベル」キャンペーンも全国一斉停止となってしまいました。
こうした背景を受け、各種SNSは次のような仕様変更・新機能を発表しました。
インスタは、2020年10月6日に誕生から10年を迎えたことを記念して数々のアップデートを発表しました。たとえば、ストーリーズのアーカイブ機能の仕様変更がそのひとつ。過去3年間に投稿したストーリーズの内容を、カレンダーで日付ごとに閲覧できるほか、地図を表示すればストーリーズを投稿した場所まで確認できるようになりました。
余談ですが、このアップデートと近いタイミングで発売された「iPhone 12」「iPhone 12 Pro」は、高性能なカメラが最大の特徴とのこと。高画質な写真・動画をストーリーズで思い出として残せば、インスタを使うことがより楽しくなりそうですね♪
Twitterに関しては、10月〜12月の主な出来事に関わる仕様変更・新機能の発表はほとんどなく、代わりにビッグな新機能「Fleets(フリート)」の導入が発表されました!
フリートでは、ツイートやテキストに加えて、写真・動画を投稿できます。オプションを活用すれば投稿画面を自由にカスタマイズできるので、オリジナリティあふれるフリートに仕上げることも可能です。
TikTok
TikTokは、新型コロナウイルス感染症の影響を受けた“中小企業を所有する黒人”のサポートを目的として「Support Black Businesses」を立ち上げました。
困っている人々に手を差し伸べる取り組みの実施は、TikTokを利用しているユーザーとしても嬉しいもの。今後も、TikTokのさらなる社会活動に期待したいですね!
Twitter同様、Facebook社も10月〜12月は主な出来事に関わる仕様変更・新機能はほとんどありませんでした。ただし、その一方でMessengerに「バニッシュモード(消えるメッセージモード)」を追加したことを発表しました!
バニッシュモードは、メッセージを送信したあとチャットから退出すると、送信したメッセージが自動的に消える新機能です。
これまでは「自分の発言がずっと残ってしまう」と気にして、感情のままメッセージを送ることに抵抗感を抱くこともあったかもしれません。しかし、これからはバニッシュモードの活用でメッセージが消えるため、常識の範囲内で思っていることを素直に届けることができます!
なお、バニッシュモードはMessengerに加えて、インスタのDMでも利用可能です。チャットを開いた状態で上にスワイプするだけでバニッシュモードがONになるので、ぜひ試してみてください♪
情勢を踏まえた仕様変更・新機能が多く見られた1年に
2020年は、新型コロナウイルス感染症に関連した仕様変更・新機能が多く見られました。実際、筆者はそうしたアップデートのおかげで、SNSで正確な情報を入手したり、おうち時間を楽しんだりできたような気がします。
果たして、来年2021年にはどのような仕様変更・新機能・情報が発表されるのでしょうか。引き続き2021年もInstagram・Twitter・TikTok・Facebookの動向を追いましょう!