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ターゲットユーザーのニーズに応えたコンテンツを、多くのフォロワーがオンラインしている時間帯に投稿しているのにもかかわらず、エンゲージメントやフォロワー数に伸び悩んでいるInstagram(インスタグラム)運用担当の方もいるのではないでしょうか?
同じ内容でも、伝え方次第でユーザーに与える印象は変わってきます。そのため、Instagram(以下 インスタ)運用では、心理的効果も考慮することが重要です。
そこで今回は、インスタ運用で意識したい心理的効果を17個ご紹介します。ぜひこれからのインスタ運用の参考にしてみてください。
Instagram(インスタグラム)運用に取り入れよう!17の心理的効果

インスタ運用に取り入れたい心理的効果は、以下の17個です。
・社会的証明(Social Proof)
・一貫性の原理(Principle of Consistency)
・希少性(Scarcity)
・共感(Empathy)
・自己表現(Self-Expression)
・視覚的アピール(Visual Appeal)
・ザイオンス効果(Mere Exposure Effect)
・バンドワゴン効果(Bandwagon Effect)
・ハロー効果(Halo Effect)
・バーナム効果(Barnum Effect)
・カリギュラ効果(Caligula Effect)
・カクテルパーティー効果(Cocktail Party Effect)
・ジャムの法則(Jam Study)
・フレーミング効果(Framing Effect)
・プロスペクト理論(Prospect Theory)
・スノッブ効果(Snob Effect)
・クレショフ効果(Kuleshov Effect)
以下で、それぞれの心理的効果について解説します。
1.社会的証明(Social Proof)
人は他人の行動や意見を参考にして、自分の行動を決める傾向があり、これを「社会的証明」といいます。インスタ運用でいうと、「いいね!やコメントが多い投稿を見たユーザーが『このアカウントは人気なんだ』と認識しフォローする」という流れが該当します。
つまり、インスタ運用において高いエンゲージメントは、ほかのユーザーに対して信頼性や影響力を示すと同時に、新しいフォロワーの獲得やいいね!・コメントの増加のきっかけになるということです。そのため、まずはターゲットユーザーのニーズを理解し、そのニーズに応えたコンテンツを投稿して、満足なエンゲージメントを獲得することが重要です。
2.一貫性の原理(Principle of Consistency)
人は一貫した行動を取ることを好む傾向があり、これを「一貫性の原理」といいます。この心理的効果は、自分にだけでなく他人にも働きます。そのため、仮にインスタの投稿に一貫性がなかったり、コンテンツのデザインがバラバラだったりすると、ユーザーが離れてしまう可能性があるのです。
言い換えれば、一貫性の原理を意識してインスタ運用をすれば、自社のアカウントに対するユーザーの信頼感を成熟でき、フォロワー数の増加やエンゲージメントの増加が期待できるということです。そのため、インスタ運用ではテーマやデザイン、投稿時間・頻度などを明確に決めておくとよいでしょう。
なお、デザインや投稿時間・頻度については以下の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
Instagram(インスタグラム)の最適な投稿時間とは?おすすめの時間帯と調べ方
Instagram(インスタグラム)のベストな投稿頻度は?フォロワーを分析して導き出そう
Instagram(インスタグラム)の投稿のうち「表紙」はどうデザインする?作成のポイントとは
3.希少性(Scarcity)
人は希少なものや限定されたものに価値を感じる傾向があり、これを「希少性」といいます。たとえば、インスタ運用ではタイムセールの情報や限定コンテンツなどを提供することで、ユーザーやフォロワーの興味・関心を引くことができます。
このように、希少性のある情報はユーザーやフォロワーの行動を促すきっかけになり得るため、必要に応じてどんどん取り入れていくとよいでしょう。
4.共感(Empathy)
パーソナルなストーリーや日常を共有したり、フォロワーの意見を取り入れたりすることで、ユーザーやフォロワーから「共感」を得やすくなります。共感は、ユーザーやフォロワーとの感情的なつながりを強固にできるため、インスタ運用でも強く意識することが大切です。
5.自己表現(Self-Expression)/ 承認欲求
人は自分を表現したいと感じる傾向があり、これを「自己表現」といいます。くわえて、人は他人に認められたいと感じることも多く、これは「承認欲求」といわれるごく自然な欲求です。
インスタ運用ではこの2つの心理的効果を考慮することも重要で、たとえば自社の商品やサービスに関するUGC(ユーザーが生成したコンテンツ)を見つけた場合は、それを自社のアカウントでシェアすることが重要です。そうすることで、ユーザーの自己表現と承認欲求の両方を満たすことができ、自社のアカウントに対する信頼感や忠誠心をより成熟できます。
また、そもそもUGCが生成されればオーガニックなリーチが増加するため、新しいフォロワーの獲得にもつながるでしょう。
6.視覚的アピール(Visual Appeal)
インスタは視覚的なプラットフォームです。だからこそ、高品質で魅力的な画像または動画がユーザーやフォロワーの興味・関心を引きます。これを「視覚的アピール」といいます。
視覚的に魅力的なコンテンツはユーザーやフォロワーのフィードで目立つので、エンゲージメントを獲得しやすいでしょう。
7.ザイオンス効果(Mere Exposure Effect)
人は何度も目にするものに親しみを感じ、好意を抱く傾向があり、これを「ザイオンス効果」といいます。つまり、最初は興味がないものでも何度も目にしていると気になってくるということです。
この心理的効果はインスタ運用でも応用でき、たとえば定期的な投稿によって、フォロワーの目にこまめに自社のコンテンツを届けることができます。これにより、親しみや好意を感じてもらいやすくなるでしょう。
8.バンドワゴン効果(Bandwagon Effect)
人は、多くの人が支持しているものや行動に興味を持ち、自分も取り入れたくなる傾向があります。これを「バンドワゴン効果」といい、たとえば「『ベストセラー』『大ヒット(大人気)』などと聞くとその本を読んでみたくなる」というケースが一例です。
バンドワゴン効果をインスタ運用で応用する際は、たとえばエンゲージメントが多い投稿をストーリーズで再度シェアしたりするとよいでしょう。「○万いいね!獲得」「保存数○件」などと実績も書いておけば、人気の投稿がさらなる人気を呼びます。
また、商品やサービスを宣伝する際は「売り切れ続出」「問い合わせ多数」などのコピーを取り入れるのがおすすめです。どういう商品・サービスなんだろう?というユーザーやフォロワーの興味・関心を引きやすくなります。
9.ハロー効果(Halo Effect)
ある人やものの特定の特徴が全体の評価に影響を与えることを「ハロー効果」といいます。たとえば、「好感度が高く魅力的なタレントを広告に起用すると、その商品のイメージもよくなる」というケースが一例です。
インスタ運用でハロー効果を応用するには、まず高品質な写真や動画を投稿することが重要です。投稿する写真や動画が高品質だと、ユーザーやフォロワーが自社(自社のアカウント)に対して好意的な印象を持ちます。また、ハロー効果によってほかの要素(内容や信頼性)も高く評価されやすくなるでしょう。
このほか、影響力のあるインフルエンサーとコラボレーションするのもおすすめです。そのインフルエンサーのポジティブな評価が、自社のブランドにも波及する可能性があります。
10.バーナム効果(Barnum Effect)
誰にでも当てはまるような一般的な記述が、自分だけに当てはまる特別なものと感じてしまうことを「バーナム効果」といいます。この心理的効果をインスタ運用に取り入れる場合は、たとえばフォロワーが自分自身のことだと感じるような一般的な悩みや喜びに関するコンテンツを投稿するとよいでしょう。そうすることで、フォロワーはその投稿に対して強い共感を感じ、いいね!や保存、シェアをする可能性が高まります。
このほか、 フォロワーに対してパーソナライズドなメッセージを送るのも有効です。特別な関係性を感じてもらうことができ、より強固なつながりを構築できます。
11.カリギュラ効果(Caligula Effect)
禁止・制限されるほどやりたいという欲求が増す心理のことを「カリギュラ効果」といいます。
子どものころ、ゲームや漫画の時間を制限されたり、深夜番組の視聴を禁止されたりしたことがある方は多いのではないでしょうか? その際に、いつも以上に「ゲームがしたい!漫画を読みたい!」「深夜番組観たい」と感じた経験こそが、カリギュラ効果の現れです。
インスタ運用でカリギュラ効果を応用するには、たとえば「誰にも教えたくない」「閲覧注意」など、フィード投稿の表紙に禁止を感じさせる言葉を入れるのがおすすめです。カリギュラ効果によりユーザーの興味関心を引くことができ、投稿を見てもらいやすくなります。
12.カクテルパーティー効果(Cocktail Party Effect)
「カクテルパーティー効果」とは、自分に必要な情報を無意識に求める心理のことです。賑やかなパーティーの中にいても、名前を呼ばれたときや気になる相手の話し声はスッと耳に入ってくることから、この名がついたといわれています。
カクテルパーティー効果をインスタ運用で応用する際は、「パン好きのための」「エンジニア志望の方必見」など、自分のことかもと思わせる言葉を表紙やキャプションに入れるのがおすすめです。ターゲットに設定したユーザーが投稿を見る可能性がグッと高まります。
13.ジャムの法則(Jam Study)
選択肢が多いほど選びづらくなる心理のことを「ジャムの法則」といいます。
この心理的効果はインスタ運用でも応用でき、たとえば複数の商品やサービスをひとつの投稿で紹介する際は、5選・3選など数を絞るようにしましょう。最低限の数に絞ることでユーザーが選択しやすくなり、購買につながる可能性が高まります。
14.フレーミング効果(Framing Effect)
「フレーミング効果」とは、同じ情報でも表現が違うだけで見え方が変わる効果のこと。たとえば「半額」と「50%OFF」は同じ意味ですが、どちらのほうが魅力的に見えるかでいうと多くの場合は前者です。このように、見え方を意識して表現にこだわることこそが、フレーミング効果の醍醐味です。
インスタ運用でカリギュラ効果を応用するには、どの表現がよいかを比較・検討する習慣をつけるとよいでしょう。たとえば、「効果を感じなかったのは10人中1人だけ」よりは「10人中9人が効果を実感」のほうが人数の多さが直感的に伝わります。このように表現をいくつか考えて、ユーザーの立場になって検討することで、フレーミング効果の恩恵を受けやすくなるでしょう。
15.プロスペクト理論(Prospect Theory)
損失を回避しようとする心理のことを「プロスペクト理論」といいます。
たとえば、「参加賞として確実に景品がもらえるゲーム」と「勝てば景品が2個もらえて、負ければ罰ゲームを受ける必要があるゲーム」があったとき、人は損を避けるため前者を選ぶことが多いというのがプロスペクト理論です。
インスタ運用でプロスペクト理論を応用するには、実際に起きている損を紹介するとよいでしょう。具体的には「失敗した人の共通点」「失敗を避けるポイント」などの投稿をするのがおすすめです。損失を回避したいというプロスペクト理論に働きかけることで、投稿を見てもらいやすくなります。
16.スノッブ効果(Snob Effect)
希少価値が高いものほど手に入れたくなる心理のことを「スノッブ効果」といいます。持っている人が少ないアイテムに価値を感じ、反対に持っている人が多いアイテムには価値を感じなくなります。
スノッブ効果をインスタ運用で応用する際は、フィード投稿の表紙やキャプションに「限定品が買えるのはここだけ」「先着10名限定」など、希少価値を表す言葉を入れるとよいでしょう。ユーザーの購買意欲を刺激でき、投稿の閲覧はもちろん、購買にもつながる可能性が高まります。
17.クレショフ効果(Kuleshov Effect)
「クレショフ効果」とは、とくにつながりのないもの同士を関連づけてしまう心理のことです。
この心理的効果はインスタ運用でも応用でき、たとえばオーガニックコスメの画像を投稿する場合は、商品を植物と一緒に撮影するとよいでしょう。これによりユーザーがクレショフ効果によって「自然」「ナチュラル」という印象を持つようになり、商品の魅力が最大限に伝わります。
Instagram(インスタグラム)運用では心理的効果も意識しよう
Instagram(インスタグラム)運用というと、どうしても投稿内容や投稿時間に注目しがちですが、これらにくわえて心理的効果も意識すると、より満足な成果を得られることがあります。そのため、今回ご紹介した17の心理的効果を積極的にインスタ運用で応用してみてください!

なお、心理的効果を応用したインスタ運用に取り組んだあとは、効果検証を欠かさず行うことが大切です。インスタ専門運用システム「Slooooth」なら、投稿ごとに主要なインサイト項目を一覧でチェックできます。また過去のデータを保有し続けるので、たとえば去年のデータと比較しながら分析することも可能です! この機会にぜひご利用ください。