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目次
近年、ビジネスにおいて新規顧客の獲得が課題になっています。そこで注目されているのが「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」であり、これは企業の営業・マーケティング活動はもちろん、SNS運用でも重要な役割を果たします。
そこで今回は、CRMの概要から求められる背景、CRMツールを導入するメリットなどについてご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
CRMとは
CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)とは、企業が顧客との関係を強化し、利益を最大化するための戦略およびツールのことです。広義ではマーケティング手法を指し、狭義では顧客管理のためのシステム・ツールそのものを指すことがあります(※この記事では、狭義の意味でCRMを用います)。
CRMツールを導入した場合、顧客データの統合および情報の可視化・分析が可能となり、個別の顧客対応を効率化しやすくなります。これにより、営業活動やマーケティング施策の高度化・効率化が実現します。そのため、Instagram(インスタグラム)をはじめとするSNS運用においても、CRMを意識することは重要なポイントといえます。
CRMが求められる背景
企業のマーケティングにおいてCRMが求められる背景には、以下の3つが挙げられます。
1.顧客ニーズが多様化・細分化している
大量生産時代を経験した今の市場では、顧客ニーズの多様化・細分化が起きています。この背景から、企業が収集しなければならない顧客情報が増加し、それに伴い営業やマーケティングにおいてより緻密な戦略を立てる必要が出てきました。
顧客のニーズに沿ったサービスを提供するには、顧客一人ひとりのニーズや属性を管理し、ベストなタイミングを見計らってアプローチする必要があります。そこで、顧客のデータを統合・分析する手段として、CRMツールが注目を集めるようになりました。
2.営業とマーケティングのデジタル化
顧客の情報や購入活動に関するデータの管理は、デジタルに移行しています。実際に、膨大なデータを管理・活用するため、さまざまな技術やサービスが誕生しています。
この背景から、営業やマーケティングにおいてもDXによる変革が求められるようになり、CRMツールの導入に注目が集まっているのです。
3.既存顧客の維持とLTVの向上
企業の長期的な成長、および収益性の向上を図るには、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を高める必要があります。
CRMは、まさにLTVの最大化に直結する有効手段です。顧客の情報をCRMツールで分析し、それをもとに顧客が望むサービスを提供することで、顧客満足度の向上、ひいてはリピート購入や継続的な利用につながります。この背景から、今CRMツールが求められているのです。
CRMツールを導入するメリット
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CRMツールを導入することには、以下のメリットがあります。
1.一元管理とシームレスな情報共有
CRMツールを導入した場合、これまで別々で管理されていた顧客情報を一元管理することができ、企業全体でよりスムーズに共有できるようになります。これにより、営業効率の向上や顧客への対応力の向上が期待できます。
また、顧客情報の分析やレポート作成を効率的に行えるようになるため、営業戦略の立案や意思決定がよりスピーディーになるでしょう。
2.属人性の排除
これまでの営業活動は、担当者の経験値や実績、人脈によって成果が変わる傾向がありました(=属人性が高い)。そのため、担当変更には少なからずリスクがあり、人員の配置換えを含む柔軟な組織づくりがなかなかできず困ることも珍しくありませんでした。
CRMツールを導入した場合、顧客の情報を一元管理できるため、担当者が変更になったとしてもスムーズに適切な対応ができる体制が整います。これにより属人性を排除できると同時に、営業全体の対応力が向上するため、顧客満足度の向上が期待できます。
3.顧客満足度の向上
CRMツールを導入した場合、顧客一人ひとりのニーズに寄り添ったサービスを提供できるようになります。具体的には、「過去の購入履歴に基づいて、ベストな頃合いで新商品・サービスを案内するメールを送付する」「開封やURLのクリックなど、何かしらの反応をしたメーから嗜好性を判断し、顧客の趣味嗜好に沿ったキャンペーンを案内する」といった対応が可能になります。
このようなパーソナライズされたコミュニケーションは、顧客との信頼関係の構築につながるため、結果として顧客満足度の向上が期待できます。
CRMツールと関連ツールの違い
CRMツールと同じく、企業の営業・マーケティング活動をサポートするツールに「SFA(Sales Force Automation:営業業務支援)」「MA(Marketing Automation:マーケティング自動化)」があります。
CRM:顧客との関係を強化し、利益を最大化する
SFA:営業活動の効率化を支援し、属人化を防ぐ
MA:見込み顧客の育成や効果測定を自動化する
SFAとMAは、CRMと機能が重複する部分もありますが、目的や機能が異なります。そのため、目的に応じた選択をしましょう。
CRMツール選定のチェックポイント
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CRMツールを導入する際は、以下のチェックポイントを参考に選定することをおすすめします。
1.目的の明確化
CRMツールを選ぶ際は、まず使用する目的を明確にしましょう。目的次第で必要な機能が変わってくるため、自社に合ったツールを選ぶために重要なポイントといえます。
2.既存ツールとの連携
現在、自社で使用しているほかのツールと連携できるかどうかも、重要なチェックポイントです。
CRMツールのなかには、上述したSFA・MAのほか、メールやカレンダー、会計、マーケティングなど、さまざまなソフト・ツールと連携できるものもあります。多くのソフト・ツールと連携できれば、それだけ使い勝手もよくなるため、将来的な拡張性も考慮して連携機能が高いCRMツールを選ぶのがおすすめです。
企業の成長・利益の最大化のためにCRMに注力しよう
CRMは顧客情報の管理を超え、企業の成長を加速させ長期的な利益の最大化させるうえで重要な手法です。Instagram(インスタグラム)をはじめとするSNS運用においても、最適化を図るうえで必要な手法といえます。そのため、自社に合ったCRMツールを導入し、顧客との関係を強化していきましょう!